英国銀器の集め方では、私が日々読んだ本から得た知識やこちらで専門家の方から伺った豆知識などを中心に紹介して行こうと思います。
まずは第一弾、このブログにも良く出てくる「ビスケットウォーマー」について書きます。
この間英国銀器では有名中の有名店に行ってきました。
そこではいくつかの素晴らしいオリジナルビスケットウォーマーを見て来たのですが、皆さん口を揃えて力説してらっしゃった「オリジナル品の見分け方」 を紹介させて頂きます。
言葉だけではなかなか説明しにくいので、下手ですが絵で説明させて頂きますね。
左がリプロ、右がオリジナルです。
1900年頃までに製造されたオリジナルのビスケットウォーマーは、二つのお皿の間に隙間を持たせて開閉に余裕があるリプロ品に対して、空ける時にぴったりと二つのお皿がくっつき、その僅かな数ミリの隙間に二枚の蓋が背中合わせで入り込む仕組みになっているのだそうです。
なるほど。
この精密きわまりないデザインがその時代の英国銀器の職人さんのレベルをもってしか作り得なかった傑作といわれる所以なのですね。
他にも見分けるポイントは、デザイン(リプロは大体同じデザイン。でもクオリティには個々かなり個体差があります。オリジナル顔負けのものから最近出てきたクオリティの落ちるものなど。オリジナルは同じシェルには周りが枝のようになっている物多数、そして他にも色んなデザインがあります)、メーカーズマークや製造ナンバーなど(調べると、いつ作られたものかわかるようになっています)。
ただ大切なのは、やはり「蓋のからくり」みたいです。
英国銀器で現代のリプロダクションがあるものはそれほど多くないのでは と思います。
ビスケットウォーマーにリプロがある理由、それはやはりオリジナル物の希少性、特になかなか手の届かないお値段にあるのではないでしょうか。
オリジナルといってもほとんどがシルバープレート製(強度の問題で純銀は適してないそうです。例外にいくつか純銀のお品もあるそうですが)ですが、英国の他のシルバープレートのアンティーク達と比べると桁外れなお値段。
どこで見ても大抵純銀のティーセットくらいのお値段します。デザインが特に美しい物になると純銀の4ピースティー&コーヒーセットくらいのお値段がするのですから・・・
去年までは英国でもほとんど見る事が出来なかったビスケットウォーマーですが不況のあおりを受けてかオリジナルを含めちょこちょこマーケットに出てきています。
日本でもウェブショップやオークションで良く見かけるようになりましたが、時々リプロをオリジナルと唄われていることを散見します。
リプロも良いものであればとても美しく、使用する分にはなんらオリジナルと変わらないと思いますが、やはり満足できる取引(買い物)をするために、売る側は責任を持って商品を紹介/提供し、買う側もある程度の知識を持つことも重要になってくるのではないかと考えています。そのために本ブログが読んでくださる方々に銀器について色々な使える知識そして現状をお伝えできればと願っています。
次回はティーキャディーの歴史について書きます。
いつも長々と書いてしまいますが、飽きずにお付き合いください!^^
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